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今村友紀(石井大地)とクランチマガジンの作家志望者たちが犯した悪行 主に小澤裕之(澤雪)と山田宗太朗(借金玉)について

 

 

 今村友紀といえば『クリスタル・ヴァリーに降りそそぐ灰』で文藝賞を受賞し、最近では自身が創設した創作投稿サイト「クランチマガジン」でのアマチュア作家との交流が一定層に話題を呼んでいる。

 問題となるのはこのサイトの創設者、今村友紀とその一部の利用者である。事件の概要については一点を除いて非常にありふれた内容であり、どこの共同体でも起こる内輪揉めに過ぎないのだが「未成年者に対して違法ウイルスを送信し、個人情報を漏洩させた挙げ句、常時ネット環境を監視していた」といった点については、法律によって禁止されている犯罪行為であり、当人たちが如何なる正当性を主張したとしても、度し難い、私的制裁行為である。また違法ウイルス送信者やサイト利用者は監視状態においた未成年者に対して「ネット環境を監視してストーカーすることを楽しんで行っている」といった言動を度々繰り返しており「自身が犯罪を犯している」といった行為に全く罪の意識が無く、その悪質さを物語っている。ではその違法ウイルスを送信したのは誰かと具体的に言えば、それは澤雪というひとりのサイト利用者である。

 

 違法ウイルス送信者 小澤裕之(澤雪)の異常性

 

 事件被害者の未成年者と事件加害者である小澤裕之との関係は「同じサイトを利用していて、多少の交流があった」程度である。そういった希薄な関係からなぜ犯罪に発展したのかと言えば、それは当事件被害者の未成年者が「サイトの利用態度が悪く、それを不快に思う他の利用者の反感を買った」からである。倫理学では一つの共同体の平穏を乱す人間を排除することを「サンクション」というが、サイト利用者はまずはじめに「サイト内の輪を乱す人間を排除する」といった目的で制裁行為を行った。しかしそれがエスカレートしていき、初めの目的であった「制裁」からただの「リンチ」へと変貌していった。

 近年では度々ネット炎上が発生しており、こういったことは特別に珍しいことでもないが、そういった制裁行為を行ったサイト利用者の中には常軌を逸した思考を持つ利用者もおり、その利用者が「未成年者に違法ウイルスを送信する」という事件を起こしたのである。

 事件を起こした男は澤雪という名前でサイトを利用しており、普段は東京大学の院生として文学について勉強している。サイト内では自身のリストカット歴や異常性を告白した雑文を投稿しており、自身の異常性を披癧することに陶酔している節さえある文章を書いている。この男はその未成年者を「過去の自分」として「否定的関心」を寄せており、執拗に付きまとっている。

 ここで注目してもらいたいのが、この男が一回りも歳が違う未成年者を「過去の自分」と表現している点である。これは心理学では「理想化転移」と呼ばれる行為であり、この男が異常心理に基づいて未成年者にストーカー行為を行っていたことがわかる。「理想化転移」を扱った有名な文学作品ではトーマス・マンの『ヴェニスに死す』があるが、この作品では、年老いた主人公グスタフ・アッシェンバッハが旅先で出会った少年タドゥツィオに理想化転移(理想的な他者の自己と同一化することで自身の欠落を補う行為)を行う過程が描かれている。

 この男は「若さ」というものに対して異様な感情を持っており、それはこの男がTwitterの別アカウントを作成する度に「自分よりも一回り年下の年齢」のプロフィールを設定することからも明らかである。

 そういった異常心理によってストーカー行為を恍惚として行う過程で、この男は「ストーカー日記」とでも言うことができる創作物を「すのすのこ」というペンネームで創作投稿サイト「小説家になろう」に投稿している。

 例えば連続殺人犯や強姦魔というのは実際に犯罪を犯す前に「非常に凶悪な犯罪的空想に憑かれている」と言われる。犯罪者の心理というのはまさしく自己中心的なものであり、異常犯罪者にとって「犯罪を犯す」という行為は「空想の続き」でしかなく、だからそこにはゲーム的な感覚はあれど世間一般の道徳的観念が全く消失しているのである。現にこの男は「違法ウイルスを送信した」ということを責められた時「関係を泥沼化させた本人」が「過去の関係に困っている」といったようなことを述べている。この男にとって「違法ウイルス送信」は極度のルサンチマン的空想を現実に発現させたに過ぎず、いわば遊戯である。そういったルサンチマン的な空想を発散したのが創作投稿サイトに投稿された創作物である。

 

 「ストーキング出来る依存相手が欲しい」山田宗太朗(借金玉)(あよがん)の異常性

 

 まずこの事件を先導したのは「誰か」というと、それはサイト創設者本人の今村友紀である。耳を疑うようなことだと思うが、それが事実である。この今村友紀という男がサイト利用者に指示を下し、当事件の被害者である未成年者に対して「違法ウイルスを送信」したばかりか身辺調査まで行ったのである。この未成年者の身辺調査を行ったのが山田宗太朗という男である。まずこの男は未成年者の交流関係を調べその人物に接触。そして未成年者の住んでいる場所まで調べあげ、実際にその場所に行ったというのだから驚きである。この男は海外での違法薬物摂取や不倫歴を得々として語る反社会的な一面を持った男であり、そういった点から見れば何も不思議なことはないのかもしれないが、この男の異常性というのはそういった「集団リンチ」に意気揚々と加担しておきながら自分自身を「善意の塊」と自称しているところだろう。

 心理学者のコフートに拠れば人格異常者というのは幼児期に満たすべきだった三つの欲求が充分に満たされないまま成長してしまった人間のことを指すという。一つ目の欲求は誇大的顕示的欲求といい、自己を誇示し見せびらかしたいという欲求である。この欲求は子供が母親に褒められることで満たされる欲求である。二つ目は理想化欲求といい、理想的な万能感のある父親を持ち、それと同化することを望むことで満たされる欲求である。三つ目は分身欲求といい、人間の集団の中でなるべく他の人間と同化して爪弾きにされたくない、という欲求である。以上の三つの欲求が正常に満たされないと人間は人格異常を起こすとされている。

 自己愛的な人格異常者というのはテロリストやシリアルキラーに多い。例えば自己愛なテロリストは自身の起こしたテロで何十人という人が殺害されたとしても、自分のことを「善人」だという。こういった異常者は論理的に破綻していたとしても「自分が理想的だとしている自己を守るため」なら現実を歪めてしまうのである。

 この山田宗太朗という男は「事件被害者の未成年者が自殺した」という情報が流れた時「法律適用外ならば躊躇いなく人間を殺す」といったようなことをSNS内のアカウントに書き込んでいる。しかしこの男はそれよりも数日前に「被害妄想性のパラノイア」を起こして、その未成年者から「復讐されて殺されるかもしれない」といったようなことを書き込んでいる。ではなぜ「殺されることを恐れていた人間」が「法律適用外ならば人間を殺しても構わない」と書いたのかというと、それは自明の通り「自分が殺される脅威が消え去ったから、自分は人を殺せる」という論理である。ここからわかるのが、この男が極端に自己中心的な世界で生きているということだ。極端な自己中心性というのは人格破綻者の特徴である。そしてまたこの男は自分が関わっている事件に対して、まるで他人事であるかのような姿勢で接しており、そういった点でもまた「違法ウイルス送信者」の小澤裕之と同じ「空想的な人格異常者」であるように思われた。

 この事件に大きく関わることになったこの二人の傾向から判断すると、この二人は父親との関係に何らかの欠落があったのではないかと思う。理想化欲求が欠落した人間は前述した「理想化転移」を引き起こしやすく、他者と自己の区別が曖昧になってしまう。また海外の異常犯罪者には父親との間に正常な関係を築けずに成長してしまった人間が多い。小澤裕之という男は「若さ」というものに理想化転移をし、この山田宗太朗という男もまた著名な作家に対して理想化転移を行っている。「女癖が悪い人間」というのは幼児期に母親との健全な接触が少なかった人間に多い。この山田宗太朗という男は恐らく家庭内で満たすべきだった欲求が満足に満たされていなかったのだろう。

 

 何が異常者たちを突き動かしたのか

 

 憎しみというのは脳内の辺縁系にプログラムされた生存と生殖の危機に際して現れる情動である。

 この辺縁系と呼ばれる領域は大脳皮質の内側にあり、これは人間が太古の昔から持っていた領域であるのだが、この箇所が活発に活動していると、憎しみという感情が溢れ出して来るようになっている。

 例えば辺縁系のうちの扁桃体という箇所は憎しみと大きく関係しており、ここを刺激すると人間は凶暴になり、手術で扁桃体を破壊すると人間は攻撃性を失う。情動というものは脳内の生存、生殖を司る辺縁系によって、意識するよりも早くに決定され、実行に移される。辺縁系の憎しみに関する部位は複雑な区別が出来ず、とても原始的である。そういった領域の衝動を止めるのが、他者の気持ちを感じとり、他者に共感する能力をコントロールしているといわれる眼窩前頭皮質である。この箇所は辺縁系の衝動を抑制する力を持っており、ここが健全に発達していると、突発的な暴力や憎悪というものを制御できるようになる。

 前述した通り、辺縁系は複雑な区別が出来ず、辺縁系が異常に活動していると、人間は二つの事柄しか見えなくなってしまう。それはその人間の経験に基づいて、その人間にとって「良い」か「悪い」かという二択である。この領域が活発化していると簡単な認識で「敵」か「味方」かという区別が行われ、辺縁系が少しでも認識した対象を「脅威」だと感じ取ると、その人間にとってそれは「生命を脅かす危険な存在」と判断し、憎悪を抱くのである。憎悪というものは小さな共同体で発生すると、それが瞬く間に共同体全体に広がってしまう。これを主体伝染といって、辺縁系が危険だと判断すると「どんなに馬鹿馬鹿しいこと」でも「脅威」だと感じてしまうようになる。

 今回の「違法ウイルス送信事件」はこの辺縁系の衝動がもたらした事件だと言えるだろう。それだけ「理性的な判断を下せる人間が、その共同体にいなかった」ということである。

 ネット炎上の多くはこういった「抑制なき脳内の稚拙な衝動」によって起こり、その多くは対象が記憶から消滅するまで衝動を抑えることができない。こういった太古から脳内に巣食う憎悪のプログラムは人間が過酷な環境下で生きていくためのプログラムでもあるので、これから何百年の時が経ったとしても「抑制なき人間」が存在する限り、憎悪のリンチは止まらずに起き続けるだろう。